発泡ポリスチレン球で作った体心立方格子の模型
100円ショップのザ・ダイソー*1やCan☆Do*1では,
1辺が57 mm(内寸)のほぼ立方体のポリスチレン製クリアケースが販売されている。
この立方体を田の字につけたタイプのものも販売されている。
1辺57 mmであるから,正方形の対角線は57×√2=81 mm,
立方体の対角線は,57×√3=99 mmである。
直径40 mmのPS球であれば,4r=80 mmとなるので,
面心立方格子がちょうど収まり,
直径50 mmのPS球であれば,4r=100 mmとなるので,
体心立方格子がちょうど収まる。
この容器を利用して,結晶模型をつくる講習をした。
カッターナイフでPS球を正確に切断するには,熟練を要するので,
型(治具)に入れて切断する方式にした。
■セッコウ型の作り方
治具(部品を固定し,精度良く,バラツキの少ない加工ができるようにするもの)をセッコウでつくる。
- 正確な1/2球をつくる。PS球の成形時の型の線を利用して,カッターでPS球を半分に切る。平らな台に#240紙やすりを置き,PS球の切断面をで削ってきれいな平面整えて,正確な1/2球にする。
- ポリプロピレン製の弁当容器(所謂タッパー)に,1.で作った1/2PS球を両面テープで貼り付ける。離型剤としてカリセッケンもしくは中性洗剤を弁当容器とPS球に塗る。PS球の北極に相当する部分に爪楊枝を立てる。
- 105×155 mm程度の弁当容器ならセッコウ300 gと水 255 gを用意する。セッコウと水を混合してしばらく置く。泥状セッコウの粘性が大きくなってきたら,2.の型に流し込む。
- 硬化が始まると発熱する。発熱が最高温度になったら,型からはずす。50℃位の乾燥器で,セッコウ型を1日乾燥する。PS球をこの型にはめて,電熱線で切断すると,正確に1/2球ができる。
■発泡スチロール球の切断方法(電熱線式発泡スチロールカッターは,こちらを参照)
PS球の切断は,基本的に電熱線で行った。
- 生徒がPS球を切断するときは,2人1組でやった方がよい。
PS球を押さえながら,電熱線を動かすのは難しいらしく,失敗をする生徒が多い。
ひとりがPS球を押さえ,もうひとりが,電熱線で切断すると,失敗が減る。
1/4球や1/8球は,切断用の線を正確に罫描き,罫描いた線に合わせてセッコウ型にPS球を入れて,電熱線で切る。 - PS球成形時の線をボールペンでなぞる。
↓見えにくいけど,成形時の線がある。
- PS球を型にはめる。型と線をピッタリ合わせる。
- ひとりがPS球を押さえて
もうひとりが,電熱線でPS球を切る。
電熱線は,型を這わせるようにして,等速で動かす。
電熱線を等速で移動させないと,切断面が波形になる。
- 切断したPS球を90°回転させて,型にいれて切断すると1/4球ができる。
さらに軸を変えて90°回転させて,切断すると1/8球ができる。
- 切断したPS球と切断していないPS球1個をクリアケースに入れると,
体心立方格子の完成。